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磁気的な観点から分類した3種類の構造材料について研究を行う。
低合金鋼 |
強磁性の鉄を主成分とする鋼で、原子炉プラントの心臓部である圧力容器鋼はこの中に含まれる。低合金鋼を塑性変形させると、格子欠陥(転位)の発生・増殖・蓄積、微小亀裂の発生、その成長によるマクロな亀裂の形成、そして破壊に至る。亀裂の発生前にも転位密度の増加や形態の変化が生じて材料劣化が進行している。本研究分野では、転位の周りに生じる応力場とそれに敏感な磁性の関係を明らかにし、転位組織の磁気的評価を通して低合金鋼の機械特性を予測する手法を確立させることを目的としている。
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オーステナイト系
ステンレス鋼 |
オーステナイト系ステンレス鋼は機械特性および耐食性に優れており、原子炉の炉内構造物として用いられている。この材料は通常は非強磁性であるが、塑性変形することにより強磁性に変化する。この性質に着目した劣化評価の手法について検討する。
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Ni基合金
(インコネル合金) |
インコネル600合金を代表とするNi基合金は耐食性に優れており蒸気発生細管等として原子炉内で用いられているが、熱鋭敏化による粒界Cr欠乏層の形成に起因した応力腐食割れが問題となっている。この材料は室温で非強磁性であるが、Crが欠乏することで強磁性化することが予想される。この性質に着目した劣化評価の手法について検討する。
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